ほんの少しずつ積み重ねていくこと

程度の差はあれど、うつ病になると本当に何もできなくなります。いままでがむしゃらに朝から晩まで成長を求め、数字を求め、スピードを求め、結果を求めて働いてきたのが嘘かのように何もできなくなります。薬を飲んで寝てご飯を食べてまた薬を飲んで寝るの繰り返し。薬のおかげで少し動けそうなときは散歩して脳の血流をよくして...みたいな感じ。そんな生活のなかで、生きる意味が見いだせなくなってしまう人が多くいるのもよくわかります。

 

一方で、何もできなくなった自分から立ち直るのは、生まれ変わって子どもの頃からやり直しているようにも感じます。昨日よりご飯を沢山たべられた。昨日より長く散歩できた。昨日より早く起きられた。昨日より本が読めた。今日は皿洗いもできた。こんなレベルの低いことですが、そういったほんの少しずつの積み重ねが自信になりうつ病からの回復に大きく影響していると思いました。

 

うつ病は社会復帰するまでかなりの時間を必要とする病気だと思います。私の場合、1年と少しくらいでフルタイムは難しいかもしれないけど、少しなら働けそうな状態まで回復しました。しかし、3年、5年、10年とうつ病に苦しみ働けずにいる方も多くいるかと思います。やはりそんなときは、一足飛びに理想の状態に近づこうとせずに、めちゃくちゃ少しずつ何かを積み重ねていくことしかないのだと思います。それは、家の片付けでも、料理でも、散歩でも、遊びでも、ネットサーフィンでも、なんであろうと少しずつ工夫したり、考えたりすることで、経験が積み重なります。そのなかで、今日はもっとこうしてみよう!とか、最終的にはこうしたい!というような目標のようなものができてくるのではないでしょうか。