75年前の時計

少し前、実家に帰ったときに居間に古めかしい振り子時計が飾ってありました。

どうやら、亡くなった祖父が75年前に買ったものだそうで、動かないけど懐かしいから飾ったそうです。

 

私は時間がだいぶあったので、興味本位で時計を分解してみることにしました。

昔から色々と機械を分解して構造を調べたり、修理したりすることが好きだったので、もしかしたら直る可能性があるかもと思いまして。

分解すると、長年の汚れやサビだけでなく、歯車も歪んでいる。

でも、ゼンマイは切れていないし、歯車や軸も欠けていなかったので、これは直るかもと思いました。

私は時計の修理に関しては、全くの素人です。

ですので、試行錯誤しながらガチャガチャと組んでは分解してを繰り返し、半日以上はいじっていたと思います。

そして最後には、時計がカチカチと音を鳴らして動くようになりました。

ゼンマイを巻く感覚、振り子の動き、カチカチと鳴る音、一時間ごとに鳴る鐘の音。

私はクオーツ時計の時代に生まれたので、その感覚がとても新鮮に感じるとともに、なにより75年前に作られたものがまだ十分に使えて、次の世代にも受け継ぐことができるということにとても感動しました。

修理した時計の中身



これがきっかけで、銀座にあるセイコーミュージアムに行って時計の歴史を勉強したり、図書館で時計の本を借りたり。

うつ病治療中に思いがけず、新しい熱中できるものに出会えたのはとてもよかったと思います。

 

また、今回のことで、壊れたら捨てて新しいものを買うというのが当たり前の時代で、使えるものは直して使うという考えはとても大切なのではないかと思いました。

受け継がれてきたもの、愛着があるものはなおさら直して使いたいと思います。

最近、古着やアンティークの家具や雑貨が注目されているのも、ものを無駄にしない精神が見直されてきたからなんでしょうか?

その理由はわかりませんが、今後、ものを大事に使っていくことに関わる商品やサービスの市場が成長していくことがあるかもしれません。